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ガッ!とやります。一代日記

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ネーミング会議にて

ネット通販のある商品のパッケージデザインの依頼を受け、
その商品のネーミングが決まっていなかったので
ネーミング開発から参加させていただいた。

あれやこれやとアイデアを出しながら会議は続く。

ポイントとなるのは、ネーミングの伝達スピードだ。

例えば、スーパーといった実店舗であれば
その商品が何者であるか、コンマ何秒で認識できる商品名が強いとされる。
なぜなら陳列された棚には他の競合商品がひしめきあっていて
イメージ的な…といったまどろっこしいネーミングは手にとってもらえないからだ。

だから『消臭力』『のどぬーる』『トイレその後に』など
伝達スピードをあげるためにはっきりとわかるその商品の使用目的が、
そのままネーミングとして使われているのだ。

今回は、その手法をネット通販でも採用するかどうかで迷った。

僕は、そもそも輸入品であるその商品のまとわりつく雰囲気を強調した
英語表記のネーミングという方向性を提案した。

その商品は競合も多く、だからこそ
日本では手にはいらないという価値観を消費者に提示したかったのだ。

ネット通販のためのウェブ制作会社の担当者も途中からその会議に参加し、
その担当者の意見は、ネットも実店舗と同じように伝達スピードを重視すべき
というものだった。

なぜなら、そこに『検索ワード』というものが関わってくるからだ。

消費者が商品を探していて、上位にくる検索ワードそのままが商品名に
なっているとウェブページにヒットしやすい、という理屈だ。

例えば、検索ワードとして多いのが『調味料』だとすると
商品名は『調味料くん』にする、というものだ。
(実際の商品自体は調味料ではございません。念のため)


ネット通販では、当然のことでホームページに客が訪れてくれなければ
商売にならない。

クライアントは、なるほど!とその方向性に共鳴したのだが
僕ひとり、どうにも納得がいかなかった。


大手企業のように大量に販売する商品ならばそれでいいのだろうが、
資本をもたず、消費者との接点を密にしていかなければならない販売方法が
重視されるであろう小企業にとって『調味料くん』といった
商品に対する思い入れのかけらもない、
ただ売れればいいといった割り切ったものでいいとは思えなかった。

そうすると最初に提案した
輸入品という価値観を全面に出す方向性もなんだか違う…


ウェブ制作担当者は、
検索といったシステムがそうさせているんですよね、と言っていたが
そんなネーミングで、売っているほうは果たして商品に愛着が持てるのだろうか?
売ってて楽しいのだろうか?ずっとドライな関係で消費者に売り続けるのだろうか?
と思った。

僕は、例えばその商品名をきっかけに消費者とコミュニケーションが広がる、
会話が生まれる共感できるストーリーがあってもいいのではないかと思った。

顔の見えないネット通販だからこそ、大企業のように他の媒体で
大量に広告がうてるわけではないからこそ、そこは大事にすべきだ。

その主張は、あっさりと
ヒットしやすい検索ワードを頭につけ
かわいがっていける商品名をその後につける
という方法で解決できた。

そしてネーミングに関するストーリーを発信するページを
ウェブ上で展開するそうだ。

後は、その世界観をどうパッケージデザインに反映できるか
が勝負となる。
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by gut-co_ltd | 2010-02-10 09:13 | 仕事のこと
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