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ガッ!とやります。一代日記

gutdesign.exblog.jp

修行時代 その3

デザイナーのレイアウト指定を見ながら版下制作の毎日。

とにかく忙しく、納期のある仕事特有の徹夜地獄。
椅子を並べた寝床で朝をむかえると駐車場の隅にある
水道で歯をみがき顔を洗う。
月給9万円でひたすら働いていました。


そんな毎日のくり返しで経験を積んでくると
生意気にもデザイナーさんの力量がわかってきました。

版下制作専門の会社としては規模も大きく
いろいろなデザイン事務所との取引があり
いろいろなデザイナーのデザインを見る事ができたのです。

ですので、レイアウト指示を見ただけで
その人が『できる人』か『できない人』かわかるようになってきました。

『できる人』はレイアウト指示にしっかりとした意志がある。
指定も細かく、『まったくの他人がこの指示書をみる』ことを
前提に制作されています。いかに自分のイメージとぶれない版下を
つくってもらうかに力を注いでいます。

そして書き文字もうまい。

ゴシック、明朝とそれは見事に手描きで書きわけている。


『できない人』は指定がおおざっぱ。
「だいたいこのスペースに入ればいいや」といった曖昧な指示。
指示抜けも多く、そのために確認の電話ばかりしないといけない。
指示書には「版下屋で適当にやってくれるやろ」といった甘えが見え隠れしています。
そんなデザイナーにかぎって、納品時のクレームが多かったのを覚えています。

版下制作業は、デザイナーの指示によって版下をつくっていく仕事。

そこに求められるのは、正確に作っていく技術のみ。
自分の意志で勝手にレイアウトを変えるわけにはいきません。
いつしか僕は指示を出すポジション、
いわゆるデザイナーになりたいと思いはじめました。

次のステップに進むため、その事を課長に報告すると
今でも忘れられない言葉で返されました。















『デザイナーになりたい??そんなもん10年早いわ!!』






その時に思いました。
『絶対になってやる!!』と…






ちょうどバブルがはじまった時期、
会社は従来の写植機以外にも電算写植や暗室のいらない紙焼き機などに
設備投資し、人員を多く確保し、どんどん大きくなっていきました。
社内では、大っぴらに課長と女子社員の不倫カップルが幅をきかせ、
写植オペレーターは社内的なその地位に甘え(写植がないと仕事が始まらないゆえ)
『仕事をしてあげる』といった態度に変わり、社長は会社に姿をみせなくなり
会社全体がおかしな雰囲気になっていました。


僕はそんな雰囲気をよそに、
あてもなくデザイナーになる決意を胸に
課長の言葉を無視し退職したのですが、
なんとその1年後あたりに
グラフィック工房は倒産してしまったのです。





続く







みなさまのおかげで10周年ガットデザイン
by gut-co_ltd | 2007-05-09 20:33
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