大企業などのC.I(コーポレートアイデンティティ)に
からんでくるシンボルマークやロゴタイプを開発するにあたって
よく言われるのはデザインの耐久性です。
すぐに飽きてしまう、古く感じてしまうようなデザインよりも
100年もつデザインでなければ、せっかく開発したロゴが
企業のアイデンティティとして機能しないという事になります。
それは『100年もつ可能性のある会社』
いわゆる大企業が前提の話で、中小企業の会社の場合
そこまでの長いスパンを考えてのロゴ開発はしません。
耐用年数を長くするほど考案されるロゴは
オーソドックスでシンプルな方向にむかいます。
奇抜なデザインは、その時代は良くても
いずれすたれていく可能性があるからです。
…で、わが社のロゴ。
シンボルマークはつくらずにロゴタイプのみを制作し
かれこれ10年間使用している事になります。
デザイナーという人間は、
なんとか自分の仕事を主張したいがために、
あれやこれやと手を加えたデザインにしたがるものです。
もちろん僕も独立するにあたっての大事な『顔』となる
ロゴですので、いいところを見せたいという色気は
ありました。
けれども結局、オーソドックスな欧文書体のひとつである
ヘルベチカ・ボールドを使用した、
いたってシンプルなデザインにしました。
ただし基本設計の書体に少し手を加え、
太らせたり長体をかけたり小文字の『i』の点の部分をはずしたりと
わかりづらいところでデザインしています。
結果として10年たった今でも
このデザインを変えたいとは思っていません。
ロゴの耐久度は十分ある。
あとは会社の耐久度ですな……
おかげさまで10周年ガットデザイン